薬剤部

診療・各部門

ご挨拶:蟻川勝

群馬中央病院薬剤部のホームページにお越しいただきありがとうございます。薬剤部の紹介をさせていただきます。

1.薬剤部の人員構成と業務

薬剤部は薬剤師21名体制となっています。調剤や注射剤払い出し、医薬品の管理といった医薬品そのものを扱う業務、患者さんへの薬の説明や入院前の服用薬の確認などの業務と感染管理チームや疼痛緩和チームなどチーム医療に参加しています。それぞれの業務内容については以下で詳しく説明します。
保険診療を行う上で、施設基準を満たすためには経験や認定をもった薬剤師の存在は不可欠であり、病院の中を動き回り活躍しています。

2.薬剤部目標

当薬剤部では、「積極的なチーム医療への関わり」を部署の目標として、安全かつ良質な医療を提供できるように薬物療法をサポートし、薬のプロフェッショナルとして病院・地域のチームの一員として患者さん視点に立った医療を目指しています。

①医薬品の適正使用とリスクマネジメントを進めます

「くすり」の「リスク」を常に考え、患者さん個々の使用において最大限の効果とリスクの最少化を目指すために最新の情報を入手し、患者さんの薬の有効性を評価し、副作用の早期発見に務めます。薬の適正使用とは、薬を使って解決するという意味ではありません。その患者さんにとって何が最適かを常に考え、時には薬を減らす事も重要です。

②入院患者さんの薬物療法を支援します

病棟業務では、入院患者さんの薬物療法をサポートするとともに、医師・看護師を始めとするすべてのスタッフが薬を安全に使用できるよう管理体制を整えます。

③後発医薬品(ジェネリック医薬品)の推進を行っています

後発医薬品推進は医療費削減のために国が掲げた方針です。患者さんが支払うお薬代の軽減になるため、当院でも病院として後発医薬品の採用を進めています。安心して使用して頂けるよう、品質・有効性・安全性・流通状況・価格等を総合的に評価しながら後発費医薬品を選定しています。

④組織の活性化と後進の育成

専門・認定薬剤師の資格を個々に積極的に取得しています。資格取得者はより専門性をもって薬物療法を支援しています。また、薬学実務実習指導薬剤師を受け入れており後進の育成も行っています。実務実習体制の成果として、薬学協議会関東調整機構から第1回優良事例として選ばれました。

⑤他部門とのさらなる連携

院内では医師・看護師を始めとした多職種がチームとなり患者さんの治療に当たっています。その中で薬剤師も、がん化学療法や緩和ケア、栄養管理、感染管理、医療安全管理などに薬の専門家として加わっています。
また、地域の保険薬局とも薬剤師同士の連携も密に進めております。群馬中央病院で発行した院外処方箋によってお薬が適切かつ円滑に届くように、前橋市薬剤師会と当院の間で「義照会に関する覚書き」の締結を行っています。

3.薬あるところに薬剤師あり

日本は超高齢社会を迎え、多くの種類の薬を服用している方も増えてきています。薬剤師の医薬品の適正使用と安全管理への役割はますます重くなる中で、薬のプロフェッショナルとして、患者さんにとって有効かつ安全な薬であるかを評価しながら患者さんと共に歩む医療を目指し、薬に関わる皆様が安全に正しく使用できるように支援してまいりますので、群馬中央病院薬剤部をよろしくお願い致します。

各業務内容

➀調剤

主に入院患者さんの内服薬や外用薬の調剤を行っています。
医師により電子カルテでオーダーされた処方は、薬剤部で受け付け、発行します。受け付けた処方箋は、監査を行い処方内容が適切であるか確認した後、処方内容に誤りや疑わしい事項がある場合は、医師にその内容について疑義照会します。必要に応じ、病棟を担当している薬剤師と連携し、確認を行います。
病院には様々な患者さんが入院していますので、錠剤やカプセル剤のほか、散剤や液剤などの様々な剤形の薬剤の調剤を行います。また、患者さんのニーズに応じ、一包化調剤や簡易懸濁法などの調剤方法による処方薬の提供も行います。

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②注射薬

主に入院されている患者さんの注射薬を、注射薬自動払出装置(アンプルピッカー)を使用し、取り揃えを行っています。機械を使用することにより、薬剤の取り間違いなどの人為的なミス防ぎ、安全性向上に努めています。薬剤師は、患者さんの腎機能・肝機能など薬剤の効果・排泄に関与する検査値を考慮し、注射薬の投与量、投与間隔、投与経路、配合変化、溶解後の安定性などを確認し、調剤を行っています。別の薬剤師により最終確認を実施し、病棟に払い出しを行います。

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③医薬品管理

病院内で使用する各種医薬品の品質管理と使用状況に応じた在庫の適正化を図っています。また、それらを医療の場に迅速かつ円滑に供給する体制を整え、必要に応じて保管方法や投与方法などの情報提供を行い、医薬品が有効かつ安全に使用されることを推進するための業務を行います。

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④製剤

院内製剤は、薬剤師により病院内で調製され、その病院に限定して使用される薬のことを言います。医療を行う上で、医薬品医療機器等法で承認・販売されている医薬品だけでは、多様な疾病、病態をもつ患者さんに最適な薬物療法を実施しきれないことがあります。
そのような場合に、薬剤師の専門性を活かし、薬学的・物理化学的な知識や技術を用いて行う重要な業務の一つが院内製剤業務です。
院内製剤には、その使用目的に応じて、以下に分けられます。
1.患者さまの治療・診断を目的とするもの
2.医療に用いるが、患者さまの治療・診断目的ではないもの
3.調剤の準備を目的とするもの。

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薬剤師がその専門性を活かして院内製剤業務を行うことは、個々の患者さんへの最適な薬物療法の提供に貢献できるとともに、患者さんのQOL(quality of life)の向上にもつながると考えます。

⑤病棟

全病棟に薬剤師が常駐しており、多職種と連携しながら患者さんの治療が安全でより良いものとなるよう努めています。病棟で薬剤師は治療に必要な薬についての説明だけではなく、入院してから退院するまで患者さんの持参薬や入院中に使用している薬剤の選択や用法・用量が適切か、相互作用がないかなどを薬剤師の視点で確認し、医師と検討しながら薬物療法の適正化に取り組んでいます。また、検査値や服薬状況の確認、フィジカルアセスメントなどを行い、薬の効果や副作用について総合的に評価し治療に反映できるようサポートしています。

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⑥医薬品情報管理(DI)

医薬品の情報を収集、整理、評価し提供しています。院内スタッフからの問い合わせに対応したり、新薬や医薬品の副作用情報などを毎月発行の情報誌で提供して、医薬品の適正使用や医療の質の向上に貢献しています。また、電子カルテシステムの薬剤のメンテナンスをしたり、医薬品の採用、削除などの審議を行う薬事審議委員会の事務局業務としても機能しています。

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⑦教育活動:(実務実習の受け入れ:人数、受け入れ大学)

後進を育成するため、薬学生の実務実習の受け入れを行っています。里帰り実習を希望される学生さんもいることから、複数の大学からの受け入れとなっています。また、見学も可能です。地域医療推進機構に興味がある、或いは将来、就職先の候補と考えている方は是非連絡をください。見学の日程調整をさせていただきます。

年 度 大 学 名 ・ 人 数
2022年度 高崎健康福祉大学 3名 昭和薬科大学 1名
2021年度 高崎健康福祉大学 1名
2020年度 高崎健康福祉大学 4名 明治薬科大学 1名

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多職種連携業務

近年、医療はそれぞれの領域の専門職種がチームとなって治療にあたるのが一般的になってきました。院内の各医療チームでは、それぞれの専門領域において各職種が専門的スキルを発揮し、緊密に連携・協働しながら、入院中や外来通院中の患者の生活の質(QOL)の維持・向上をサポートしています。
当薬剤部では、患者さんのために医師や看護師をはじめとする各医療スタッフと協力して、治療・回復に努めるチーム医療を展開しています。薬剤師は、チーム医療に積極的に参画し、チーム医療における協働を進めるとともに、質の高い薬物療法の提供を目指しています。

① 栄養 NST(栄養サポートチーム)

様々な栄養療法を提案する連携チームです。
栄養状態が悪いと治療効果が得られにくく、合併症を引き起こすリスクが高くなるため、治療効果を高めるために1人1人に見合う適切な栄養管理を考えています。

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② 感染 ICT(感染対策チーム)、AST(抗菌薬適正使用チーム)

多職種(医師、看護師、薬剤師、検査技師など)で感染対策を行っています。
薬剤師もチームの一員としてカンファレンスや各部署へのラウンド行い専門性を発揮しています。

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③ 褥瘡

多職種(皮膚科医師、薬剤師、検査技師、栄養士、看護師)で、週1回、褥瘡のある患者さんについての短時間のカンファランスを行った後、ベットサイドに訪問し、適切な褥瘡治療・管理に努めています。

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④ 緩和

医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種で緩和ケアチーム(PCT)を構成しています。
チームはコンサルテーションを受けながら、週1回病棟ラウンドを行っています。その中で、薬剤師はチームの主となり疼痛緩和のための薬物療法に関する処方提案や副作用モニタリングを通して薬物治療全般に関わり、さらに医療者スタッフへの医薬品情報提供、教育・啓発活動なども行っています。

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⑤ がん

がん化学療法に対し、治療方法(レジメン)の管理、適正使用に努めています。
医師・看護師と協力し、患者さんの副作用出現状況や、腎機能など薬剤の投与量に関わる検査値を確認し、適正投与量の見直しや副作用対策の薬剤提案などを行っています。がん化学療法によりQOL(Quarity of life:生活の質)の維持に貢献できるよう活動を行っています。

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⑥ 糖尿病

糖尿病教育入院される患者さんや術前血糖コントロールをされる患者さんに対し、インスリン注射の役割や、インスリン器具の適切な使い方などについて説明をしています。また、医師、看護師、検査技師と協力して糖尿病教室を開催し、糖尿病の予防や治療、生活の注意点などについてお伝えしています。

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⑦ 妊婦・授乳婦

薬を服用している方の妊娠に向けての準備や、妊婦・授乳婦さんが安心して薬物治療を行うための支援を行っています。

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⑧ 災害

当院は災害拠点病院であり院内にDMAT(Disaster Medical Assistance Team,災害派遣医療チーム)が配置されています。そこにロジスティクス(logistics)として薬剤師が参加しています。ロジスティクスとは薬品や医療資器材、情報を効率的に管理する役割で災害医療においてとても重要です。

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外来業務 

① 糖尿病センター

インスリン注射を導入予定の患者さんや既に使用されている患者さんに対し、インスリン注射の役割や、インスリン器具の適切な使い方について説明をしています。

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② 入退院センター

手術や検査入院を予定している患者さんに対して、アレルギー歴やお薬での副作用歴の有無を確認しています。内服薬やサプリメントを確認し、手術や検査に影響があれば、休薬してもらうよう説明をしています。また、一包化調剤などから抜いて貰えるように、院外薬局にも情報提供をしています。

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③ 外来化学療法室

外来化学療法室には専任薬剤師(日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師や日本医療薬学会がん専門薬剤師)を配置し、診療前の面談で副作用などのGradeや疼痛NRSなどの評価を行い、医師に処方提案を行っています。初回治療や治療変更の際にはパンフレット等を用いて、投与スケジュールや副作用、生活上の注意点などについて指導を行い、さらに継続した患者指導を行っています。また、内服抗がん剤についても導入時の服薬指導を行っています。

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④ ワクチン(小児科外来)

母子手帳の記載をもとに、予防接種の投与スケジュールを確認し、問診票と照合します。ワクチンの準備や使用期限、ロット番号を看護師さんと相互確認します。このような活動により、お子さんがワクチンを安全に接種できるようにしています。

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薬剤部認定・資格・業績など

認定実務実習指導薬剤師 5名
日本病院薬剤師会認定指導薬剤師 3名
日病薬病院薬学認定薬剤師 10名
日本医療薬学学会がん専門薬剤師 1名
日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師 2名
日本病院薬剤師会妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師 1名
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師 2名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師 1名
日本研修センター小児薬物療法認定薬剤師 1名
日本糖尿病療養指導士 4名
日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム専門療法士 1名
公認スポーツファーマシスト 1名
一般社団法人群馬県病院薬剤師会 理事 1名
一般社団法人前橋市薬剤師会 理事 1名
前橋市学校薬剤師 1名
令和5年4月現在

業績

原著論文

Mie Araki, Yuta Takahashi , Yoshiaki Ohyama, Ayumu Nagamine , Emiri Takahashi, Kunihiko Imai, Kunihiko Hayashi, Tetsuya Nakamura , Masahiko Kurabayashi and Kyoko Obayashi
Risk factors for frailty in elderly Japanese people who received Ningen Dock: a cross-sectional study The Egyptian Journal of Internal Medicine (2022) 34:42

国内学会発表 (一般発表)

2022年度

大熊範和:心房細動の高齢者に対し低用量エドキサバンへの減量を検討した2症例. 第5回群馬県薬学大会 2022年5月14日 高崎

西場弘美:実臨床おけるオピオイド誘発性便秘に対するナルデメジンの効果および安全性に関する検討. 第7回日本がんサポーティブケア学会学術集会 2022年6月18日 下関

鈴木一成:新型コロナウイルスワクチン:コミナティ筋注®接種による副反応発現状況の解析. 第32回日本医療薬学会年会 2022年9月24日 高崎

西場弘美:外来がん化学療法患者への医師診療前介入の試み. 第32回日本医療薬学会年会 2022年9月24日 高崎

國分真理:群馬中央病院におけるメロペネムの用量適正化への取り組み. 第32回日本医療薬学会年会 2022年9月25日 高崎

田子尚史:周術期薬剤管理加算の取得への取り組み. 第7回JCHO地域医療総合医学会 2022年10月21日 熊本

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薬薬学官連携

薬薬学官連携

病院を退院される患者さんが、スムーズに在宅療養に移行できるよう、保険薬局と積極的に連携しています。また、大学薬学部や行政との連携についても積極的に取り組んでいます。当院では高崎健康福祉大学薬学部学生の卒業実習研究を受託し、共同研究を実施しています。当院主催の連携活動については随時お知らせして参りますので、ご参加いただき顔の見える関係を構築していきたいと願っております。

実績

2021年度 前橋市薬剤師会ワクチン調製研修会 講師

前橋市薬剤師会無菌調剤研修会 基礎講習講師

前橋市薬剤師会無菌調剤研修会 実技講習講師

化学療法レジメン研修会 「胃がん」

群馬県薬務課 群馬県後発医薬品適正使用推進講演会協力

高崎健康福祉大学薬学部卒業実習共同研究

2022年度 前橋市薬剤師会無菌調剤研修会 基礎講習講師

前橋市薬剤師会無菌調剤研修会 実技講習講師

前橋市薬剤師会医療安全研修会 講師

化学療法レジメン研修会 「大腸がん」

高崎健康福祉大学薬学部卒業実習共同研究

薬局の皆様

処方箋疑義照会

当院では、プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)の一貫として、処方箋疑義事項について前橋市薬剤師会との協議のもと覚書を締結しております。覚書締結事項につきましては、調剤後に変更事項をお知らせください。また、前橋市薬剤師会以外の薬局で御要望がありましたら、当院薬剤部まで御連絡ください。
その他、処方箋記載事項についての疑義照会につきましては、各診療科外来へお願いいたします。

採用薬一覧

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